宅建士の登録要件(実務経験2年・登録実務講習)、宅建士証の有効期間5年、法定講習、登録移転、重要事項説明時の証明書提示義務、登録消除を完全解説します。
この記事の内容
宅地建物取引士(宅建士)とは、宅建業法に基づき都道府県知事の登録を受け、宅建士証の交付を受けた者のことです。
宅建士にしかできない独占業務は次の3つです。
これらの業務は宅建士証を持つ者だけが行えるため、宅建業者は従業員5人に1人以上の割合で専任の宅建士を設置する義務があります(設置基準)。試験では登録の要件や宅建士証の手続きが頻出です。
宅建試験に合格しても、すぐに宅建士として活動できるわけではありません。都道府県知事への登録が必要であり、登録には以下の要件を満たす必要があります。
また、次の欠格事由に該当する者は登録できません。
登録は試験を受けた都道府県の知事に対して行います。たとえば東京都で受験した場合は東京都知事へ登録申請します。
登録申請に必要な主な書類は以下のとおりです。
登録は都道府県知事が管理する宅地建物取引士資格登録簿に登載されることを意味します。この登録簿には氏名・住所・本籍・合格した試験の年度・勤務先業者などが記載されます。
登録が完了しただけでは宅建士として業務を行えません。別途宅建士証の交付申請を行い、宅建士証の交付を受けて初めて「宅地建物取引士」として業務ができます。
宅建士証の有効期間は5年間です。
語呂合わせ:「宅建士証は5年で更新、宅建業の免許は5年で更新」と並べて覚えると混乱しません。どちらも5年です。
宅建士証を更新する際、有効期間満了の6か月前から申請可能で、更新申請時には法定講習の受講が必要です。
法定講習は都道府県知事が指定した機関が実施し、最新の法改正情報や実務的な知識を学びます。受講せずに有効期間が切れると宅建士証が失効し、宅建士としての業務ができなくなります。
なお、宅建士証が失効しても登録自体は消滅しない点に注意しましょう。失効後でも再び宅建士証の交付申請(法定講習受講後)を行えば復活できます。
勤務先の宅建業者の主たる事務所が別の都道府県へ変わった場合などに、登録を別の都道府県知事へ移すことができます。これを登録の移転といいます(宅建業法第19条の2)。
重要:業務停止処分を受けている期間中は登録の移転ができません。これは処分逃れを防ぐための規定です。試験ではこの例外がよく出題されます。
宅建士が重要事項の説明を行う際は、相手方(買主・借主)から請求がなくても必ず宅建士証を提示しなければなりません(宅建業法第35条第4項)。
この点は次のとおり整理します。
また、2021年のデジタル改革関連法施行により、オンライン(IT重説)での重要事項説明も認められるようになりました。IT重説の場合も宅建士証の提示(画面上で確認できる形での提示)が必要です。
一定の事由が発生した場合、都道府県知事は宅建士の登録を消除しなければなりません。登録消除は登録簿から抹消することを意味します。
登録消除の主な事由は以下のとおりです。
登録消除処分を受けた者は、処分の日から5年間は再登録できません。また、登録消除に際し宅建士証を返納する義務があります。
なお、登録消除と業務停止処分は異なります。業務停止は一時的に業務が禁止されるだけで登録自体は維持されますが、登録消除は登録そのものが抹消されます。
宅建士になるまでのフローを整理します。
試験対策のポイントは「登録と宅建士証は別もの」という意識を持つことです。登録はしても宅建士証がなければ業務はできません。また、宅建士証が失効しても登録は生きていることも頻出の引っかけです。宅建FastPassの一問一答で条件の組み合わせをしっかり練習してください。