宅建試験頻出の不動産取得税を解説。道府県税・標準税率3%から新築住宅1200万円控除、土地の軽減措置、非課税ケースまで試験に出るポイントを網羅。
この記事の内容
不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した際に、取得した人(個人・法人を問わず)に対して1回限り課される地方税です。固定資産税が毎年課されるのと異なり、不動産取得税は取得時に1回だけ課税されます。
基本的な性格を整理します。
「取得」の概念は広く、売買・交換・贈与はもちろん、新築・増築・改築による取得も含まれます。一方で相続による取得は原則非課税です(後述)。
不動産取得税は申告納付制で、取得後60日以内に都道府県税事務所に申告する必要があります(都道府県によって異なる場合があります)。
不動産取得税の税率は、取得した不動産の種類によって異なります。現行の税率は以下の通りです(地方税法73条の15)。
覚え方:「住宅と土地は3%、それ以外の建物は4%」。住宅優遇のための特例税率が令和9年(2027年)3月31日まで適用されています。
税額の計算式は次の通りです。
不動産取得税額 = 固定資産税評価額 × 税率 − 軽減額
例えば固定資産税評価額2,000万円の土地を取得した場合、軽減前の税額は2,000万円 × 3% = 60万円となります。ただし実際には後述の軽減措置が適用されることが多いため、実際の税負担はこれより少なくなる場合がほとんどです。
一定の要件を満たす新築住宅を取得した場合、固定資産税評価額から1,200万円を控除した額に税率を掛けて税額を計算します(地方税法73条の14第1項)。
新築住宅の軽減措置が適用される要件は次の通りです。
控除額1,200万円は一定です。なお、認定長期優良住宅については控除額が1,300万円に拡大されます(令和9年3月31日までの特例)。
計算例:固定資産税評価額1,500万円の新築住宅を取得した場合
課税標準:1,500万円 − 1,200万円 = 300万円
税額:300万円 × 3% = 9万円
もし固定資産税評価額が1,200万円以下であれば控除後がゼロになるため、不動産取得税はかかりません。低価格帯の住宅取得では実質的に非課税になるケースが多いです。
中古住宅(既存住宅)を取得した場合にも軽減措置がありますが、新築住宅と異なり築年数に応じた控除額が適用されます。
宅建試験では中古住宅の控除額の表は詳細な暗記まで求められませんが、仕組みは理解しておきましょう。
昭和57年以降の建物であれば新耐震基準を満たすとみなされ、新築と同じ1,200万円の控除が受けられます。それ以前の建物は耐震改修工事等の要件を満たせば適用可能な場合もあります。
中古住宅の軽減措置の要件(新築と共通):
床面積50㎡以上240㎡以下(自己居住用の場合は50㎡以上)であること。宅建業者が売主として販売する中古住宅は、買取再販の場合に要件が異なる場合があるため注意が必要です。
住宅用の土地を取得した場合にも不動産取得税の軽減措置があります。住宅が建っている土地(または住宅を新築・取得する予定の土地)が対象です。
土地の軽減額は次の計算式で求めます(地方税法73条の24)。
軽減額 = 次のいずれか大きい方
①45,000円
②(土地の固定資産税評価額 × 1/2 × 3%) × (住宅の床面積 × 2 ÷ 200㎡)
②の計算が複雑に見えますが、試験では計算方法の理解よりも「住宅用土地には軽減措置がある」「最低でも45,000円は軽減される」という仕組みの把握が重要です。
土地の軽減措置を受けるための主な要件は次の通りです。
新築住宅の1,200万円控除と組み合わせると、不動産取得税が大幅に軽減されるケースが多くあります。
不動産取得税は「取得」のたびに課税されますが、すべての取得に課税されるわけではありません。以下の場合は非課税です。
試験頻出の区別:相続は非課税、遺贈(特定遺贈)は課税。相続人以外への遺贈も課税されます。また、相続放棄した場合でも他の相続人が相続により取得する分は非課税ですが、相続放棄者への遺贈として処理される場合は課税になります。
贈与による取得は課税対象です。「タダでもらったから税金がかからない」と誤解されやすいですが、贈与も立派な取得で不動産取得税が課されます。
不動産取得税は「税・その他」分野で毎年1問出題される定番テーマです。以下の頻出論点を必ず押さえましょう。
不動産取得税と固定資産税の比較もよく出題されます。
この比較表を頭に入れた上で、新築住宅の軽減措置の要件を確実に覚えることが合格への近道です。宅建FastPassの問題演習でこれらの論点を反復練習してください。